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SALESCOREさま基調講演ウェビナー事例

事例概要

【企業】
SALESCORE株式会社

【課題】
2025年当時、事業拡大に伴い高い目標が設定されていたが、強固なマーケティング体制やハウスリスト(自社で保有する見込み顧客のリスト)は整っていなかった。ウェビナーなど基本的な施策は実行していたものの、既存・新規を問わず施策を積み上げても、求められる成果に届かない状況にあった

【施策】
施策の積み上げと並行し、大きな成果を狙う「変革型」の一手として、有識者と対談する番組シリーズ「Growth Leaders」を立ち上げ。経営者や上位役職者が関心を寄せる「問い」から番組を設計し、企画・クリエイティブ・集客まで一貫して作り込んだ。集客だけでなく、コンテンツ資産・自社の価値の言語化・社内の認識合わせを一手で狙う設計。仕込みに時間のかかる有識者との収録番組は第2弾に据え、第1弾はライブ配信のウェビナーとして先に開催してシリーズの始動を告げ、第2弾以降へ流れをつくった

【結果】
番組形式に切り替えてからは約2カ月で3本を制作。切り替え後の初回(シリーズ第2弾)が大きな反響を獲得し、営業部門が対応対象として受け入れたリード(SAL)の創出でも手応えを得た。制作したコンテンツは他施策にも活用され、社内におけるマーケティングコンテンツへの見方にも変化が生まれた

【TOYNOVAの役割】
「問い」から始める番組設計の発案と、田口氏との共同での企画の具体化・登壇者のキャスティング・スタジオ収録と編集・動画広告のクリエイティブ制作と配信

【SALESCOREの役割】
番組の企画設計(TOYNOVAと共同)と、LPや広告など各施策に共通するクリエイティブの制作と品質の責任


SALESCORE株式会社は、勝ち筋を現場の行動に戻す新しいカテゴリー「Sales Execution」を掲げ、営業組織の変革を支援するコンサルティングを事業の中核に据えています。

そこで培った知見はSaaS「SALESCORE VISUALIZE / SYNC」や「Value Intelligence」として提供し、プロダクトの活用を通じて得た知見はコンサルティングの現場にも戻しています。戦略を描いて終わりにせず、現場の実行と定着までを支援する会社です。2026年8月には、代表取締役 CEOの中内崇人氏がこの考え方を体系化した書籍『営業実行学』(ダイヤモンド社)を出版しました。

2025年当時のSALESCOREは、事業拡大に向けて高い目標を掲げる一方、マーケティングの体制はまだ発展途上にありました。限られた人員と時間のなか、広告やウェビナーなど、既存・新規を問わず取り得る施策の成果を積み上げても、事業計画から求められる水準には届かない状況にありました。

そこで同社は、施策を着実に積み上げながら、短期間で大きな成果を狙う「変革型」の一手にも取り組むことを決断。

その一つとして、BtoBマーケティング支援を手がけるTOYNOVAとともに立ち上げたのが、有識者との共創番組シリーズ「Growth Leaders」です。経営者や上位役職者が関心を寄せる「問い」を軸に、有識者とSALESCOREが対話する番組シリーズで、有識者との対談をスタジオで収録し、申込制で配信しました。

今回は、当時マーケティング責任者としてGrowth Leadersを立ち上げた田口雄貴氏(現 ブランドマネージャー)に話を聞きました。

強固なマーケティング体制が整わないなか、高い事業目標への挑戦が始まった

当時のSALESCOREは事業拡大に向けてアクセルを踏み込んでいましたが、マーケティング専任者は限られていました。マーケティングとしてエンタープライズ市場に本格的に向き合った経験はまだなく、活用できるハウスリストも十分ではない状態でした。それでも事業計画から逆算すると、マーケティングに求められる数字は当時の体制からは遠いところにありました。

ウェビナーなど基本的な施策は回していたものの、強固な体制と言えるほどではなかった、と田口氏は当時を振り返ります。

まず、広告やウェビナーをはじめ、既存・新規を問わずその時点で取り得るあらゆる施策を洗い出し、それらの成果を積み上げるとどこまで届くのかを試算しました。しかし、すべてを積み上げた先に見込める成果と、事業計画から求められる水準との間には、依然として大きな差が残りました。

さらに、人も時間も限られていました。通常のマーケティング施策でも企画から実行までには2〜3カ月ほどかかるため、一つずつ試して結果を見ながら改善していくだけでは間に合わない状況でした。

施策を積み上げながら、成長角度を変える「変革型」の一手を打つ

田口氏は、マーケティング施策を「積み上げ型」と「変革型」に分けて考えています。

広告やウェビナーなど、既存の施策の改善も新たな施策の追加も含め、一つひとつの成果を足し合わせて伸ばしていくのが「積み上げ型」です。日々のマーケティング活動として欠かせないものですが、その成果は基本的に足し算でしか伸びないため、事業計画との間に大きなギャップがある場合には、あらゆる施策を積み上げても目標に届かないことがあります。

そこで田口氏が並行して進めようとしたのが、単月で大きな成果を生み出し、四半期や半期で見たときの成長角度を変える「変革型」の施策でした。積み上げ型を止めるのではなく、両者を同時に進めることで、高い事業目標への到達を目指す考え方です。

田口氏の言葉を借りれば「当てねばならぬ」。ただし賭けではありません。打てる手を洗い出してすべて打ち、運の要素をできる限り削ってから勝負する。市場の流れを見極めたうえで、企画から訴求メッセージ、クリエイティブ、集客までを考え抜き、「これで当たらなかったら仕方がない」と言えるところまでやりきってから大きな成果を狙うのが、田口氏の言う変革型です。

当時、ウェビナーやカンファレンスはすでに世の中に溢れていました。それでも田口氏は、オンライン・オフラインを問わず、イベントやコンテンツの領域そのものには追い風があると見ていました。

ただ、同じようなウェビナーを一本増やすだけでは、数多くのコンテンツに埋もれてしまいます。選んでもらうには、企画にも訴求にもクリエイティブにも、はっきりした違いが要ると考えていました。この考えを持ってTOYNOVAに相談するなかで形になっていったのが、Growth Leadersでした。

 

SOLUTION

「一緒に登ってくれるか」。成果を出すために求めたパートナーとの関係

田口氏がパートナーにTOYNOVAを選んだ理由の一つが、同じ目標に本気で向き合える相手だと感じたことでした。

田口氏は複数のBtoBマーケティング支援会社と接点を持っていましたが、実績や費用だけで発注先を決めたわけではありません。

「『僕らはここを目指しているから、一緒に登ってくれないか』に応えてくれるパートナーじゃないと、一緒にやれない」

発注側が線を引き、その内側で応えてもらうだけの関係では、支援会社がどれだけ優秀でも力を出し切れない、と田口氏は見ています。目指す場所を共有し、対等に意見をぶつけ合える関係であれば、双方が普段以上の力を出せる。その関係を築ける相手かどうかが、田口氏がパートナーを見るときの基準でした。

もう一つ、田口氏が強く確認していたのが、提案してきた営業担当者ではなく、実際にプロジェクトを担うのは誰なのか、という点です。営業時の提案内容だけでなく、実際に制作を担うメンバーの経験やバックグラウンドまで確認し、自分たちが目指す成果に向けて一緒に走れるチームかを見たうえで、TOYNOVAと組むことを決めました。

オンラインカンファレンスの相談から、「問い」で始まる番組へ

TOYNOVAへの最初の相談は、Growth Leadersの制作ではなく、オンラインカンファレンスの開催についてでした。

この相談と並行して、SALESCOREの社内ではFS・IS・マーケティングが同じ物差しで話せるように、ターゲット条件を整理していました。マーケティングが受け入れる段階と、営業部門が対応対象として受け入れる段階(SAL:Sales Accepted Lead)を分けて定義し、「どのような企業・役職の人との接点を増やしたいのか」を明確にしていたのです。

SALを増やすには、より上位の役職者や経営者層との接点が必要でした。ただ、その層はサービスの機能説明には足を止めません。日々向き合っている「問い」から入り、有識者との対話のなかで答えを探す番組であれば届く。

TOYNOVAの発案をもとに、田口氏とTOYNOVAが打ち合わせを重ねて双方で詰めていったこの設計が、Growth Leadersの核になりました。「なぜ営業組織は変わらないのか」といった問いを有識者とともに掘り下げ、その対話のなかでSALESCOREの考え方を有識者の視点と突き合わせ、言葉にしていく番組です。

第2弾では「なぜ営業組織は変わらないのか」を問いに据えました。SFAもKPIも入れたのに営業組織が変わらない構造的な理由を、経営学の研究者とSALESCOREの現場の観察を突き合わせて掘り下げ、最後は経営企画や営業責任者が明日から何に手をつけるかで締める60分ほどの構成です。番組の答えは製品の紹介ではなく、SALESCOREがどこを見ている会社かを示すことに置きました。

田口氏がこの企画に可能性を感じた理由は、もう一つありました。外部メディアの番組は媒体の視聴者に広く届く一方、企画の主導権は媒体側にあります。Growth Leadersはその補完として、TOYNOVAとともに企画を自分たちの手でこだわって作り、番組内での対話のストーリーやSALESCOREの見え方まで自分たちで決められる形にしたいと考えていました。

TOYNOVAとの取り組みは、当初のカンファレンス案からGrowth Leadersのシリーズ展開へ軸足を移しました。ただ、有識者との対談を収録する番組は、登壇の調整から収録、編集まで仕込みに時間がかかることが分かっていました。

そこで田口氏は、この「問い」の設計を軸にした収録番組を第2弾に据え、第1弾(Vol.1)はゲストを迎えたライブ配信のウェビナーとして先に開催し、シリーズの始動を告げる回に位置づけました。第2弾にしっかりつなげ、第3弾、第4弾へと流れを途切れさせない。施策を早く動かすことと、第2弾へ地続きの企画をつくることを両立させる進め方です。

一つの番組で、複数の課題を倒す「センターピン」として設計する

Growth Leadersは、集客のための一施策にとどめず、当時同時に抱えていた複数の課題をまとめて解決する「センターピン」として設計されました。

狙いは三つありました。他の施策にも転用できるコンテンツ資産をつくること。有識者との対話そのものを、自社の価値を言葉にする場にすること。そして、営業やインサイドセールスも含めた社内で自社の価値への認識を揃え、Growth Leadersを「これが基準だ」と示すことです。

「徹底的に遊んでください。」BtoB広告の同質化から抜け出す

企画と同じだけ力を入れたのが、広告のクリエイティブです。ウェビナーやカンファレンスが溢れるなかで選んでもらうためには、広告を見た瞬間から他のBtoBコンテンツとの違いを感じてもらう必要があると考えていました。

動画広告のクリエイティブはTOYNOVAが担い、LPや広告バナーなど各施策に共通するクリエイティブはSALESCORE側が責任を持つ分担でした。

その動画広告で「遊ぶ」というオーダーが生まれたきっかけは、収録後のちょっとした雑談です。動画広告を担当するTOYNOVAの制作メンバーが、以前はテレビ番組の編集に携わっていたことが分かりました。番組をより面白く見せる表現手法を持っていて、それはBtoBマーケティングにはなかなか持ち込まれていない方法だと田口氏は考えました。

そこでTOYNOVAの制作チームに伝えたのが、

「世の中の広告は同質化しているから、そこから差をつけたい。徹底的に遊んでください。」

というオーダーでした。

遊びすぎてSALESCOREからNGが出るのではないか、と制作側が構える必要はない。視聴者の注目を集める動画広告のアバン(冒頭映像)をできるだけ自由に作ってほしい。そうはっきり伝えることで、制作メンバーの力を引き出そうとしていました。

その意図を受け、出演者の映像を大胆に使った演出など、一般的なウェビナー広告とは大きく異なるクリエイティブが生まれます。BtoBマーケティングでよく見られる広告表現からあえて離れることで、BtoBの広告として目に留まる入口をつくりました。

入口は最大限に広げ、申込後の「シュートの精度」で決める

ただし、目立つ広告をつくり、申込数を増やすこと自体が目的ではありません。田口氏が考える良いコンテンツとは、自社の価値が相手に伝わり、その先の商談や受注につながるものです。広告で興味を持ってもらっても、その先のコンテンツが期待に応えられなければ意味がありません。

背景には、田口氏がBtoBマーケティングの現場で繰り返し見てきた構図があります。獲得単価や資料のダウンロード数といった手前の数字は動くのに、商談や受注という成果には結びつかない。数字を追うほど、コンテンツの中身が後回しになっていく構図です。

だからこそ、入口は広告のクリエイティブと配信で最大限に広げ、申込フォームの入力項目は会社と役職が分かる最低限にとどめ、申込後のコンテンツで商談につなげる「シュートの精度」を高める。その設計に行き着いたといいます。

OUTCOME

番組形式へ切り替えた初回が大きな反響。約2カ月で3本を短期集中で展開

通常なら一つの施策に2〜3カ月かかるところを、番組形式に切り替えた第2弾から第4弾までの3本を、約2カ月で制作する短期集中のスケジュールで展開しました。

番組形式に切り替えた最初の回、第2弾は大きな反響を獲得しました。申込の数だけでなく、申込後のコンテンツで狙った「シュートの精度」、つまり営業部門が対応対象として受け入れたリード(SAL)の創出という点でも手応えのある結果になりました。

制作した動画は自社カンファレンスでも活用されました。一つのコンテンツを単発の施策で終わらせず、その後のマーケティングでも活かせる資産として設計した結果です。

質の高いコンテンツが、社内のマーケティングへの見方も変えた

変化は社外だけではありませんでした。営業やインサイドセールスが自社のマーケティングコンテンツにより高い関心を寄せるようになり、番組の内容をもとに顧客と会話する場面が生まれました。有識者との対話のなかで語られた自社の価値を、社内が同じコンテンツで受け取れるようになった形です。三つ目のピンが動き始めました。

EPILOGUE

一度のヒットで終わらせず、次の「前回超え」をつくる

Growth Leadersで手応えを得たSALESCOREのマーケティングは、次のフェーズに進んでいます。

田口氏がGrowth Leadersに求めてきたのは、一度うまくいった企画をそのまま繰り返すことではなく、毎回、前回を上回ることでした。同じコンテンツをつくり続けても、参加者や登壇者に新しい価値は届かないからです。誰に何を届けるのかを企画ごとに考え直し、次のコンテンツへつなげていくことを重視してきました。

毎月の目標達成を担うマーケティングの運用と、変革型の一手を仕込む役割では、求められる時間軸も動き方も異なります。そこでSALESCOREでは、PRとマーケティングを連動させ、その中心となる「キラーコンテンツ」(市場の見方を変える核になるコンテンツ)を継続的に生み出す役割を、日々の運用と並ぶ形で置いています。

田口氏が現在担っているのがこの役割で、テーマは冒頭に挙げた「Sales Execution」という新しいカテゴリーを市場に根づかせることです。有識者との対話を通じて進めた自社の価値の言語化と、Growth Leadersで得た手応えが、その足がかりになっています。

一手を「新しい企画」で終わらせないために

SALESCOREの取り組みで最初に行われたのは、取り得る施策をすべて積み上げた場合の到達点を試算し、事業計画との差を直視することでした。その差が積み上げでは埋まらないと分かったとき、変革型の一手が必要になります。

ただ、それは新しい企画を一本足すこととは違います。誰に届けるかを決め、複数の課題を同時に倒す形にし、同じ場所を目指すパートナーと打てる手をやりきる。Growth Leadersは、経営層の「問い」から入って自社の考え方を有識者と検証する番組として、その一つの実践例になっています。

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